本院は平成14年7月に開業し、今年で20年目を迎えます。開業当初よりすべてのレントゲン画像を電子化してコンピューターに記録しています。また血液検査や院外検査のCT、MRI、エコー画像もすべてコンピューターに記録しています。患者さんの一連のデータは瞬時に画面に表示できるので、骨折の治療経過や病状の変化、血液検査の推移をただちに確認できます。それぞれの患者さんの蓄積されたデータを最大限に活用しながら無駄な検査を行わず効率的な診療を目指しています。また院内のすべてのコンピューターはLANで連動しているため、診察終了後、ただちに受け付けで会計計算と処方箋発行ができます。
10年前までは整形外科外来の診療手段といえば主にレントゲンだけでしたが、現在は運動器エコーという新たな手段が出てきました。技術進歩によりエコーの解像度が増して、従来の心臓や腹部だけでなく、四肢や脊椎の皮下組織、筋肉、腱、靱帯、関節、血管、神経などが診察室で簡単に見えるようになってきたのです。今までレントゲンだけが診断方法であった整形外科にとっては診療革命と言って良いほどの変化です。エコーは動画の状態で組織を観察できるため腱や筋肉の動き、関節の不安定性、血流の動きなどがリアルタイムで観察できます。このようなエコーの特長により患者さんと一緒にエコー画面を見ながら病状の理解を共有することができるようになりました。当院ではエコーを平成23年から導入して日常診療に積極的に活用しています。
次にいくつかエコーによる診断や治療の例をあげます。
肩関節に激痛をきたし肩の挙上が困難ですがエコー下に石灰の洗浄吸引を行い疼痛は消失しました。
脚立から降りるとき、ふくらはぎに激痛を感じたそうです。矢印の位置で筋肉の先端が切れて縮んでいるのがわかります。下は健常側で筋肉の先端がシャープです。
エコーにより膝窩部の腫瘤は腫瘍ではなく、水の溜まった袋(矢印の内側)の状態であることがわかります。この嚢胞を穿刺し内用液を排液しました。
矢印の位置で足関節の外側の靱帯が健常側に比べて腫れているのがわかります。左の健常側は靱帯がスムースです。
さらにエコーは治療手段としても有効です。エコーで針先を確認しながら病巣へ注射針を誘導することで、精度の高い関節内注射やブロック注射が可能となりました。
当院では関節内注射やブロック注射はエコー下に行い、薬液を確実に目的とする部位に注射するようにしています。また近年はハイドロリリース(液性剥離)という手法が出てきました。痛みの原因となっている部位をエコーで観察すると腱、筋膜、神経組織が周囲の組織と癒着して画面上に白い領域として見えます。この白く写ることを高信号に写るといいます。痛みのある高信号の領域に、エコーで針先を確認しながら生理食塩水のような液体を注射すると、癒着した組織が注射液で剥がれて痛みが改善します。1回の液性剥離で劇的に痛みが改善することも多く、この治療法も積極的に行っています。
当院ではリハビリ室の物療器機にも力を入れています。
詳しくは「診療案内」の「リハビリ機器のご案内」をご覧ください。
医院は衛生的であることはもちろんですが見た目にも清潔感のある医院にしたいと考えています。本院は外観の派手さはありませんが院内の清掃や整理整頓はスタッフがたえず気を配っています。開院後20年経過しますが物品を大切に扱い院内の清潔感はいつも保たれていると自負しています。本院のスタッフは患者さんからの評判もよく私は恵まれた環境で診療できることに感謝しています。
外観
外観
玄関
受付
受付
待ち合い室
待ち合い室
診察室1
診察室2
エコー(KONICA MINOLTA社 SNIBLE)
レントゲン室
レントゲン撮影装置(島津メディカルシステムズ社製)
リハビリテーション室
リハビリテーション室
フラットパネル(富士フィルムメディカル社)
フラットパネル(富士フィルムメディカル社)
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